この記事は大麻の使用を推奨するものではありません。
大麻の使用罪が創設される!?

オーストラリア北東部の大麻畑で撮影
世界各国で大麻の嗜好品としての使用が解禁されている中、日本では時代の流れに逆行するかのように「大麻使用罪」が創設されることがほぼ決定しました。
この記事を読むと、大麻使用罪の運用がいつから始まるのか、誰がそれを決めたのか?使用罪創設の原因や、使用罪を適用するための検査方法などがわかります。
大麻規制検討小委員会が使用罪創設を提言
大麻の使用罪について、所管する厚生労働省が有識者たちを集めて委員会を開催しました。2022年5月25日、6月29日、7月29日、9月29日の合計4回開催されています。
この委員会は、いわゆる「有識者」によって組織されているのですが、どのような有識者が参加しているのでしょうか?
大麻使用罪の提言を作成したのはこの人たち
大麻規制検討小委員会に参加していた有識者は以下になります。

厚労省PDFより(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25666.html)
太田達也(慶應義塾大学法学部教授)
神村 裕子(公益社団法人日本医師会 常任理事)
合田 幸広(国立医薬品食品衛生研究所所長)
小林 桜児(地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立精神医療 センター 依存症診療科・依存症研究室・副院長)
鈴木 勉(学校法人 湘南ふれあい学園 湘南医療大学 薬学部長)
舩田 正彦(学校法人湘南ふれあい学園 湘南医療大学 薬学部 教授)
関野 祐子(東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 特任研究員)
富永 孝治(公益社団法人日本薬剤師会 常務理事)
中島 真弓(東京都福祉保健局健康安全部薬務課長)
橋爪 真一郎(日本製薬団体連合会(塩野義製薬株式会社 CSR 推進部))
花尻 瑠理(国立医薬品食品衛生研究所 生薬部第 3 室長)
この有識者のメンバーを見て、「利権だ!」または「これだけの専門家が揃っているなら仕方ない」と思うかは個人によるでしょう。
しかし、少なくともこのメンバーの中に必要に迫られて大麻を使用した、または使用したことがあるという人は皆無だと思われます。
治療用「大麻」所持禁止は「人権に反する」末期がん患者が「無罪」主張-弁護士ドットコム
なぜ今まで規制されていなかったのか?
ところで、なぜ今までは大麻の「使用」は規制されていなかったのでしょうか?
第三条 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のため使用してはならない。
大麻取締法には上記の通り「使用」については明記されていません。そのことについて、「大麻規制のあり方に関する大麻規制検討小委員会 議論のとりまとめ(案)」に記載されていました。
法律の制定時に大麻の使用に対する罰則を設けなかった理由は不明である が、考慮したとも考えられている「麻酔い」は現状においては確認されていな い。
「なんで大麻の使用に罰則が定められていなかったのか、よくわからん」ということらしいですw
一説には、免許を受けて大麻を栽培している業者が、その生産過程でブリブリ(麻酔い)になる可能性を排除しきれず、そのために使用罪がなかったとも言われています。
他には、「GHQに押し付けられたものだから当時の日本人もよく分かってなかったんだろ」という説もありますが、その真偽の定かはわかりません。
大麻取締法が制定された1948年当時になぜ使用罪がなかったのかは不明ですが、もしかしたら法律を作った人がブリッブリで、使用という単語を書き忘れたのかもしれませんw
なぜ今さら大麻使用罪を創設するのか?
大麻使用罪創設が検討されるようになったのは決して利権ではないと信じたいのですが、警察が予算を確保するため、製薬業界が大麻の登場で薬が売れなくなるからなど、巷では色々な噂が存在します。
しかし大麻規制検討小委員会では以下のように言われています。
大麻事犯の検挙人員は平成 26(2014)年以降増加の一途をたどり、8年連続で検挙者数の増加が見られ、今日は「大麻乱用期」が確実といえる状況となっており、特に若年層における乱用が拡大している。
麻薬や覚醒剤といった大麻以外の違法薬物には使用罪があることに対し、大麻には使用罪が存在しないことが、安易な大麻の乱用が拡大する一因となっている実態がある。
大麻使用罪を創設することにより、大麻の乱用を食い止めたいという意図があるようです。
しかし警察庁が公表している資料を見てください。
平成21年ですでに最近と同じくらいの検挙者になっていたので、大麻規制検討小委員会で言われたことはどうやら嘘ですw
大麻事犯の検挙人員は平成 26(2014)年以降増加の一途をたどり、8年連続で検挙者数の増加が見られ、今日は「大麻乱用期」が確実といえる状況となっており、特に若年層における乱用が拡大している。
大麻使用罪はいつから?
日本で法律が制定されるためには以下の4つの手順を踏みます。
- 法律案を作る(今回は改正のため内閣提出法案)
- 国会で審議する
- 法律が成立する
- 法律が公布・施行される
現在は大麻規制検討小委員会にて法改正について議論されている段階ですが、早ければ国会に提出されるのが2023年の秋と言われています。2023年秋に法改正案が成立すると、2024年春には施行されます。
ですので、大麻使用罪は2024年春以降の適用ということになるはずです。
検査方法は?
大麻規制検討小委員会では、尿検査で大麻使用を特定するという方向で進んでいるようですが、委員会内で「唾液からはわからないのか?」という意見が出ていたので、もしかしたら唾液検査という可能性もあります。
しかし大麻は喫煙の他にもクッキーやグミなどで経口接種する方法があるので、唾液検査を証拠として採用するのは難しいことが予測されます。

ハッピークッキー$5 in カンボジア コー・ロン島
ですので尿検査する方法が採用されると推測します。
大麻使用罪は創設されないかもしれない
大麻使用罪が適用されるのは2024年春以降が濃厚だと解説してきましたが、まだチャンスはあります!
2018年には、永田町の議員会館で大麻草がスクスクと育っていたという事件がありましたし、もしかしたら国会議員の中にもガンジャマンがいるかもしれません。
大麻取締法の法改正に使用罪を盛り込むので、国会議員がブリッブリになってマンチーしてる間に国会審議が終わってて、改正案の提出をド忘れした!という場合はもちろん使用罪は創設されません。
さらに万が一の可能性として、国会で法改正が成立しない可能性も0%ではありません。
もしかしたらあなたが大麻を使用する必要がある正当な理由(病気等)を持っていて、それを国会議員のウェブサイトに掲載されているメールアドレスなどから陳情したら、国会議員が法改悪をストップしてくれるかもしれません。
いずれにしても、2023年の秋に行われる国会審議に注目しましょう!
大麻の使用罪について反対の声
Twitterで大麻使用罪創設について反対の声を挙げている人のツイートを集めてみました。
弁護士や医師など多くの人が使用罪に反対していることがわかりました。
仮に、ある特定の少数の人に対してそのような作用が認められる場合があるとしても、大麻の健康へのリスクはアルコールより低いことが示されており、国連やWHOも薬物の個人使用目的の所持の非刑事罰化政策を推奨していることから、逮捕して刑事罰を課す措置を正当化する理由にはなりません。 https://t.co/5O9on2U6WN
— ❃終了 𝐑𝐄𝐕𝐈𝐒𝐈𝐎𝐍 大麻取締法改正請願署名 (@JapanCannabisAs) January 29, 2020
法案提出は遅れているものの、使用罪は導入に向けてカウントダウン。
ささやかでもこういう意思表示は大事だと思います。 https://t.co/s3bn56UNUK pic.twitter.com/PJdiZcpJLr— 正高佑志 a.k.a. MASATAKA 医療大麻のお医者さん (@yuji_masataka) March 4, 2023
アルゼンチンで初めて大麻使用者調査が行われる
調査の結果、医療用大麻使用者の98%が大麻成分を摂取することで症状の改善が見られ、75.5%が従来の薬をやめたことが明らかに。https://t.co/NzETby8f9p
— ASA Magazine (@asa_magazine) October 17, 2021
今後、日本でニュージーランドの方が大麻の個人使用目的の所持で逮捕された場合、国際問題に発展することが考えられます。世界では大麻の個人使用で逮捕することが人権侵害であることは既に常識です。
事例研究:アオテアロア・ニュージーランド 大麻合法化規制法案への手引きhttps://t.co/RVhXOhsH2T
— 野中 烈 (@NonakaTsuyoshi) September 19, 2020
厚労省が公表しない2018年のWHO ECDDによる唯一の正式な大麻のレビュー日本語訳はこちら💁🏻♂️
WHOは大麻の治療効果や同じ附表の他の物質と比べて害が少ないことを認め、国際条約の規制分類変更を勧告しています。
WHO ECDD 第41会期報告書, 7 大麻及び大麻関連物質(日本語仮訳)https://t.co/40BkOpN4QE
— 野中 烈 (@NonakaTsuyoshi) August 19, 2020
パックン
"僕の知り合いもエイズで苦しんでる時に
全く食欲がなかったんですけど、
大麻のお陰でちょっとたべれる様になって
結局亡くなったんだけど、
食べれる様になっただけでも凄い救われた
って言う知り合いがいます。”#大麻取締法の撤廃を求む pic.twitter.com/oDUgnYkcyd— CK (@flateric23) June 18, 2020
医療大麻のお医者さん、正高先生 @yuji_masataka と対談させていただきました☺️
生きるため「大麻」を必要とする人たちがいる 私たちが発信を続ける理由https://t.co/OYaMVl8qX7— 弁護士 亀石倫子 (@MichikoKameishi) June 13, 2020
菅さん「時代にそぐわない部分改正すべき」って。
大麻取締法をいち早く改正しなよ。
イライラしてる人や自殺する人がうんと減るから。でも権力者からしたら自殺減ると逆に困るのか。
— まーさん (@marsan888) May 3, 2021
大麻の使用罪について賛成の声
賛成の声は特にありませんでした。
大麻使用罪のまとめ
- 厚労省主催の大麻規制検討小委員会で使用罪創設の必要性が唱えられた
- 今後は国会を経て、改悪される場合は2024年春が濃厚
- 使用罪に反対している人は弁護士や医師など、意外にも社会的地位のある人が多かった
- 大麻取締法は人権問題に関わってくる問題だという認識の人が多く、世界ではすでにそれが常識になっている
- 世界的には合法化が進んでいるけど、日本は中国や北朝鮮のような雰囲気だよ♪